親とやりたいことリスト | comments(0) | - | ル・リアン横浜 村上みつえ |
今年の4月末のできごとです。地方に住む叔母を呼んで、17年ぶりの3姉妹顔合わせ会を企画しました
親やご自分のもしもの時に備える
「後悔しないための、あったかい『生前整理』」
TM をお伝えするため日々奮闘中です
連れ合いをなくし、子もなく縁のない地方で一人暮らしをしている叔母(母の妹)は、今年80歳になります
平均年齢85歳、認知症率75%! の母姉妹と父の4人
叔母は、病弱高齢であること以前に、
ひとりで新幹線に乗るのが80年の人生で初めて!
母(83)も上の姉(90)も父(88)もだいぶ認知症が進んできたことから「今しか会うチャンスはない」という私の説得に負けて、ついに決心
「行くわ、でも怖い、絶対面倒見てちょうだいよ」と、決死の旅行を覚悟してくれました
すぐさま、ふだんお世話になっているご近所の皆さまに連絡し、付添サービススタッフを探し、万全のサポート体制を組むことに・・・
・新幹線切符は私がこちらで購入し、事前に日程表とともに郵送
・当日は自宅から新幹線座席まで司法書士さんご夫婦に送っていただき
・新幹線ホームで私が出迎えて、その後、墓参りなど3日間のアテンド
・帰りは新幹線に乗せたら、サービススタッフ(有料)に駅ホームまで出迎えを依頼、私鉄・タクシーを使って自宅まで送り届けてもらいました
・旅行中、ひとりでいるのは新幹線の座席に座っているときのみ!
・事前の準備と翌日の通院は民生委員さんに立ち会いしていただき
・お隣のご夫婦には、留守宅と旅行前後の見守りをお願いしました
皆さま親切で心やさしい方ばかり。このご協力がなければ実現し得ない、最初で最後になるかもしれない叔母の帰郷でした
地元土産を叔母に配ってもらいましたが、本当に感謝するばかりです
「ありがとう○○、元気で頑張るのよ、また来てね」
一方、高齢ゲストを受け入れる、父母と上の叔母が住むホームでも、ケアマネさんはじめスタッフさんがひっそりとゲストルームと食事の準備をしてくれました
楽しいサプライズのためではないのです。3人に事前に言うと、理解する人もしない人も興奮したり、不穏になったりするので・・・
認知症とはそういう病気です
当日朝、私が「今日は素敵なお客様を連れて行くよ」と電話しただけ
1日目、母は、ニコニコと「妹」をみつめ「どなたかしら?でも、私のとても大事な人に違いないわ」と言いました
2日目、母は、父のしつこい説明がわからず、パニックになって施設内を走り回りました。上の叔母は「○○が帰ってきたの、これからは一緒に住むのよ」とふれ回って大騒ぎしました
しっかり者の姉たちの弱った姿を目の当たりにすればショックはしかたないのですが、叔母は、私の母が「自分のことを『妹』だと認識しないことが残念」と言い、泣きました
3日目、帰宅する叔母を連れて、昼前に新幹線の駅へ行く予定
皆で記念写真を撮り、エントランスで別れのあいさつ
すると、ぼんやりしていたはずの母が、とつぜん「妹」を抱きしめて
「遠くから来てくれてありがとう、
元気で頑張るのよ ○○、また会いに来てね」
ええええぇぇぇ〜〜〜〜
その一瞬あとには、すべてのできごとを忘れているのに・・・ですよ
叔母は大喜び、帰宅してからは、1年前叔父を亡くしてから後ろ向きだった生活が変わりました
「元気でいなきゃ」と食事をきちんととり、積極的に通院、家の片づけも始めたようで
「自信がついたようです」と民生委員さんから報告がありました
80歳にして素直に成長する叔母は、面倒だけど、かわいい・・・
母はときどき一瞬の奇跡を起こします
私に大きな愛をくれた話は「認知症の母が、私を産んだことを思い出した・・・」記事で以前お伝えしましたが、こんども、妹に愛を伝え元気にしました
私も、結果、頑張ってよかったと思いました
親の認知症の介護は、ほとんどが「残念で辛い」
だから、
ほんの少しのうれしいことが、家族には100倍に感じられます
「介護は親が子にする最後の子育て」という言葉は、本当かも・・・
さいごまでお読みいただき、ありがとうございました